MUKU-DATA  名栗加工 突き鑿によるナグリ

しばらく前に鑿で突きながら名栗加工を行っている作業を見せてもらいました。
機械でスプーンカットされたフローリングは何度か出荷した事はありますが、
実際に手作業で行っている現場を見るのは初めてでした。
思ったより大変、一削り、また一削りと根気のいる作業です。
1本作るのに何回この手作業を繰り返すのでしょう。。

建築に使われる部材は、効率=単価が優先となり、出来上がってくるものは
表面材だけの良し悪しで見られがちな建物が多いように思います。
で、ここ数年ただ単に良い材から
一工夫加えたものが、新鮮に映り、受け入れ始められているように感じます。
例えば、床材であれば張り手間のかかるヘリンボーン、さきほど言った機械でスプーンカットされた床材など。
きっと、それって人が作った温かみみたいなものが求められている事の表れなのでしょうね。

だったら生身の手での加工、
一削りに足腰を踏ん張りながら手先から伝わって出来る
人が作った模様、名栗加工の方がより一層と心に響いてくるものを感じ取れる事でしょう。

いくらでこの梁一丁を賄っているのかお伺いはしませんでしたが、
米松KD(ドライビーム)の梁材に施されたものですから、
きっと予算も厳しい事と想像できます。
店舗か住宅のリビング?、きっと着色をするのでしょう。

名栗加工店さんの身近な関係者さんから聞きました。
どこも厳しい予算を言ってくるから大変らしいです。
やらなきゃ食えないし、、、

その良さに気づき始め、求められる本物の加工も、
それを受ける職人さんには厳しい現実があるのです。

何か間違ってないか?

そのうちこういった伝統技術でさえ、機械加工された「なんちゃってナグリ」に代用されて
無くなってしまうのではなかろうか・・・・
きっとこのままでは無くなってしまうのは明らかです。

適材適所、

もし本物を求めるなら、それを作れる技術、手間に、それ相応の対価が必要になる。
作れる人と技術に敬意をもたなきゃいけないのではないでしょうか・・・

本物は欲しいがお金は払いたくない、

自分さえ得すれば、あとはどうでもいい。
そんなの長く続く訳がありません。

バチが当たるぞ!

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